サイコロジカル・ファーストエイド
Psychological First Aid: PFA 心理的応急措置
国土強靭化ワークショップin佐賀 (2018.1.27)
ワークショップ実施レポート (内閣官房のサイト)
こころにも応急措置が必要
ケガの応急措置するように、傷ついたこころにも応急措置が必要です。サイコロジカル・ファーストエイド(PFA)は、戦争紛争地や災害被災地など危機的な出来事に見舞われた人に対して行う、人道的、支援的、かつ実際的な支援のことです。
ストレスの強い出来事を体験した人たちに、専門家でなくても援助ができるように、WHO(世界保健機関)などを中心にサイコロジカル・ファーストエイド(PFA)のガイドラインが公開されています。
参考:
兵庫県こころのケアセンター 「サイコロジカル・ファーストエイド実施の手引き 第2版」日本語版
http://www.j-hits.org/psychological/
災害時こころの情報支援センター WHO版PFAフィールド・ガイド
http://saigai-kokoro.ncnp.go.jp/pfa.html
PFA実施の3原則
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見る
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聞く
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つなぐ
支援を押し付けない、相手を尊重し、話に耳を傾けます。自分ひとりで最後まで支援をするのではなく、対象者を専門家やコミュニティにつなぐまでを行います。そのためには、支援を行う前にその地域の情報を集め、自治体や地域コミュニティ組織などとの連携をとることが必要です。被災者ファーストで行動するために、情報収集と連携は十分に行います。
大切なのは、「相手の状態を五感で感じること」
その状況を見て考えるより、まず感じることです。そして、相手への思いやりと寄り添う気持ちで行います。
PFAをおすめする4つの理由
将来日本で発生する巨大地震では、自治体職員や医療専門家の不足が懸念されています。被災地では多くのボランティアが必要となり、PFAを実施できる人の養成が求められています。災害ボランティアに行けるよう準備する、困っている人の助けになれるというのは素晴らしいことです。
理由1: 将来の災害に備えた共助を可能にする
しかし、それだけではありません。PFAは日常的にも役に立ちます。例えば、
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職場や学校でのメンタル不調者への早期ケア
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地域での高齢者や子どもへの見守り
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公共の場での安全安心の向上
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外国人や障がい者への支援 など
相手のニーズを感じ取り、寄り添って話を聞き、役に立つ情報を伝え、必要な人やサービスにつなぐ。
PFAの原則に従って行動することができれば、様々なメリットがあります。
困っている人を支援することは、PFA実施者自身にも良い影響があります。
誰かの役にたっている感覚は、その人自身の自尊心を高め、活力を上げる効果もあります。レジリエンスを高めることができます。
理由2: 助けられる人から、助ける人になる
その他にも、組織内でPFAを実施することで、お互いを知るコミュニケーションツールとしても有効です。
PFAワークショップはシナリオに基づいたグループワークです。
同じシナリオ(状況)でも、どう感じ、何を聞き、どこにつなぐかは人によって違います。
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要支援者に対する感じ方、捉え方、想像力の違い
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要支援者にかける質問の違い
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とるべき行動のバリエーションの違い
つまり、仕事だけでは分かりにくい感じ方・行動を、シナリオワークを通じて知ることができます。
理由3: コミュニケーション・ツールとして使える
また、BCP(事業継続計画)を策定されている組織の場合、
こころのケアを通じて、被災者の立場にたった実行可能な計画への見直しができます。
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被災した従業員や家族への具体的なケア
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地域住民への支援(共助)
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スムーズな復旧活動のための自治体との連携
被災前に、こころの状態をシミュレーションしておくことは、BCPの具体的な事前対策にもつなげられます。
理由4: BCPにこころのケアを取り込める
※BCPに関しては「BCP全力訓練」も提供しています。
PFAワークショップ
サイコロジカル・ファーストエイドを体験し、実践スキルを身に着けるワークショップを提供しています。
(1)内容
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PFAとは ~PFAの3原則~
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PFAの事前準備と注意点
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シナリオに基づいたグループワーク (※複数のケースで実施)
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グループ発表
(2)所要時間
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入門編・体験者向け 3時間
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災害ボランティア向け 1日
(3)実施人数
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8名~50名まで
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