2種類の幸福感でレジリエンスを高める


失敗や挫折を経験しても、幸福感が低い人より、高い人の方が立ち直りが早い。

つまり、レジリエンスでもあるわけです。


レジリエンスの高い人は、幸福感も高いことが分かっています。

ネガティブな感情をいつまでも引きずっている状態は、幸せではありませんが、

早く回復でき、前向きに切り替えて行動できれば、心理的なダメージも軽減されます。

つまり、レジリエンスの高い人は幸福感もある。


レジリエンスと幸福感は、相関関係があることが分かります。


2種類の幸福感(主観的と協調的)


どのような時に「幸福」だと感じるか。


主観的幸福感は、自分の中に「肯定的な感情」が現れた時に感じます。

肯定的というのは、「好ましさ」や「良さ」です。

能力に対する自信、達成感、誇らしさ、楽しい経験、充実感などがあります。


物事がうまくいっている時は幸福感がある一方で、このように感じることはないでしょうか。


「次は、何か悪いことが起こるのではないか」

「幸せな状態は、長くは続かない」

「周りから妬まれるのではないか」


協調的幸福感は、周りとの関係性を重視し、調和のとれた幸福感です。

良いことも悪いことも同時に存在するという考え、

周りを気遣い、「人並み」で「ほどほど」の幸福が良いと思います。


「苦あれば楽あり」

「山あり谷あり」

「敗者に礼を尽くす」


良いことも悪いことも両方あるのが人生だと思えれば、

ポジティブな状況で不安を感じますが、ネガティブな状態では希望をもつことができます。


日本人には多いのは、陰陽思考がらくる「協調的幸福感」のほうですが、

戦後の西洋志向やグローバル化により、「主観的幸福感」も増えています。

日本は、2つの幸福感が混在している多様な民族といえます。


毎年国連が発表している「世界幸福度レポート」では、主観的幸福感が用いられています。


「昨日はどのくらい幸せだったか?」という問いに

2つの幸福感が混在する日本は 「とても幸せ」と「ふつう」に分かれてしまう。

北米やヨーロッパ、ラテン系など「とても幸せ」を選ぶ人が多い国と比較するとランキングは下がってしまいます。



組織のウェルビーイングでレジリエンスを高める


幸福に関する価値観の違いは、ランキングに反映されていなくても、

幸せな人を増やし、レジリエンスを高めるにはどうするべきか。


働くことで個人が幸せを実感できれば、組織のウェルビーィングが上昇します。

ウェルビーィング(Well-Being)とは、「良い状態」であること。

幸せな良い状態にすることで、組織のレジリエンスも高まります。


所属するメンバが、どの幸福を求めているか?

欧米的か東洋的か、多様性は今では強みですから、両方の視点で施策を考えていきます。


「協調的タイプ」は関係性を強める


新型コロナ対策で、三密を避けたリモートワークを実施することで、孤独感を感じる人が増えています。


「画面を通すと表情が分かりにくい。」

「メールや通話では、コミュニケーションがうまくとれない。」

「他の人はどうなっているのかが気になる。」


良いことがあっても、逆に不安になる。

ネガティブ思考に陥りやすいのが「協調的タイプ」の特徴ですから、

事実をマイナス方向にゆがめて捉えないように気を付ける必要があります。


楽観的な説明のし方をトレーニングする。

良いことも悪いことも、現実的な捉え方ができれば、レジリエンスも高まります。

参考記事: 無力感を学習しない学習性楽観主義


関係性のなかで幸福感が高めるには、このような方法もあります。

  • 一人で行う作業よりチームでの協働作業を増やしてみる。

  • 適切で具体的なフィードバックを行う。

  • コミュニケーションの回数を上げる。


「主観的タイプ」は没頭できる環境を整える


個人的で主観的な幸福を望むタイプも増えています。

リモートワークになじんでいるのは、こちらのタイプかもしれません。

  • 自分で決められる、選べることで、自己コントロール感があがる。

  • あいまいではない、明確な目標を与える。

  • 自主性、主体性が発揮できる機会をつくる。

  • 成果を公平に評価する。

主観的タイプの人は協調的タイプと違い、うまくいっている時に不安は感じません。


「このまま良い状況が続きそうだ。」

「自分は絶好調だ。積極的に行ける。」 

「次もうまくできるに違いない。」 と思いますので、良い波が続くように没頭できる環境を整えます。


一方で、ネガティブなことがあると気分が下がったままの場合もあるので、ケアが必要です。

主観的タイプは、協調的タイプに比べると気分のアップダウンがあります。

  • ストレスケア

  • 成功体験で自信を回復させる

  • 共同作業を増やす


身近な幸せを感じる


主観的タイプと協調的タイプを紹介しましたが、何を幸せと感じるかは人それぞれです。


主観的と協調的の両方の幸せを望む場合や、状況や環境で変わってくる場合もあるはずです。

身近なところにも、日々幸せはあります。


例えば、このように捉えてみました。


じわじわ系 身体の芯が温まるような幸せ、赤ちゃんや動物などに感じる愛情。

感動系   感動や驚き、畏敬の念からくるなんとも言えない幸せな気分。

ほっこり系 美味しいものを食べた時、ちょっといい話を聞いた時、人に親切にした後のプチハッピー感。

ガッツリ系 達成感がある、歓喜の幸せ。

しみじみ系 昔を懐かしむ、思い出の中でよみがえる幸せ。


どれかひとつでも、日々幸せを感じること。

幸せを感じた自分をきちんと認知することで、

目の前の課題に向かう意欲が高められ、レジリエンスも高まります。



参考:

ショーン・エイカー 「幸福優位7つの法則」 徳間書店

内田由紀子 「これからの幸福について」 新曜社

内閣府 「幸福に関する研究会」 2011






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