ポジティブリスクに備える

新型コロナ感染症の第5波もピークアウト(2021年9月21日現在)を迎え、

今月末には ほとんどの地域で

緊急事態宣言、またはまん延防止対策が解除される見込みです。


ワクチン接種率も5割を超え、

先行していた諸外国に追いついてきました。


コロナ前の日々に戻れるのはいつなのか、様々な見方があります。



パンデミックのタイムフレーム 医師であり、ネットワーク科学や進化生物学の研究者である ニコラス・クリスタキスは、 パンデミックのタイムフレームを以下の3つに定義しています。 パンデミック期 パンデミック余波期 ポストパンデミック期 パンデミック発生により大きく変容した生活が続くのが「パンデミック期」。 ワクチンの普及や集団免疫獲得にもよりますが、 2022年まで続くとみています。 ワクチンの普及や集団免疫を獲得しても、数年間は、 パンデミックの打撃から抜け出せない 「パンデミック余波期」。 社会的・経済的・心理的には、回復途上にあります。 2024年まで続くとみています。 そして、2024年頃からが、「ポストパンデミック期」です。 いわゆるアフターコロナです。 過去の疫病流行と同様に、 アフターコロナも 生活様式や働き方が変化し 消費や交流が活発になり、イノベーションが見込まれます。 この情報は、 ニコラス・クリスタキスの著書 「疫病と人類知」講談社 から引用しました。 興味のある方は手にとってみてください。 この本の日本語版は、2021年5月に出版されていますが、 実際の執筆は、2020年の8月に行われています。 当時はまだ、ワクチンは開発中だったこと考えると、 現在のタイムフレームは、前倒しかもしれません。 集団免疫よりも、ワクチンの効果が弱まる変異株の出現で パンデミック期が長引き、余波期に入るのは クリスタキスの予想より遅れるかもしれません。

先行きがみえにくい現在 今流行しているのは、インドで変異したデルタ株ですが、 他にもイータ、イタオ、カッパ、ラムダ、ミュー株が警戒されています。

いったいこの警戒がいつまで続くのか知りたい、

しかし分からない、これが今の状況です。 ちなみに、ギリシャ文字24個のうち、最近の変異株ミューは12番目。 最後のアルファベット「オメガ」まで増えないことを願います。 世界の80%が免疫を持つと、パンデミックが終息する。

その日がいつかを予想しているサイトがあります。 9月21日現在、パンデミック期の終わりは2022年7月5日となっています。

https://pandemicend.info/ 今が、パンデミック期なのか、パンデミック余波期なのかもわからない。 ワクチンがどれくらい有効なのか? ワクチンの3回目の接種が必要なのか? この先、どれくらいの数の変異株が出現するのか?  その影響は? 感染力の強さは? どれもあいまいで、不確実。 

まさに VUCA(ブーカ)の時代です。 2種類のリスク  リスクには2種類あります。 「ネガティブリスク」と「ポジティブリスク」です。 ネガティブの方は言うまでもありませんが、実はポジティブなリスクもあります。 変化への対応が遅れ、売上やパフォーマンスを最大化できず 得られる成果が低い状態が、ポジティブリスクです。 たとえ損失はなくても、 ビジネス好機に利益が伸ばせないこともリスクとしてとらえます。 好機は、そう頻繁にはありません。 チャンスはピンチよりずっと少ないものです。 数少ないチャンスにも関わらす、

出遅れて波に乗れない、チャンス・ロスは、確かにリスクです。 「1位をとれる実力はあるのに10位で終わるリスクはないか」 ポジティブリスクへの対策は、このような視点から始まります。 組織の機敏性や柔軟性、新しいことを始められるかどうかを見直してみます。 例えば、 新商品が予想外に売れたことで、 生産体制を整える間、販売を一時中止にするケースがあります。 もし、再度売り出すまでに時間がかかれば、 その間、顧客はその商品を忘れてしまうかもしれません。 待てずに別の商品を購入したり、お金を別のことに使うこともあるでしょう。 あるいは、 他社が素早く類似品を市場に出して、 そちらにシエアを取られ、思ったほど売れないかもしれません。 これが、ポジティブリスクです。 変化に対して機敏に動ける、筋肉質の組織がレジリエンスの高い組織です。 レジリエンス組織は、ポジティブリスクを最小化します。

(もちろんネガティブリスクもです。) 昨年のマスク不足を思い出すと、 調達したが売れない、在庫の山をさばくために、やむなく値引きして売る、 結局、損失だったという話も耳にしました。 ネガティブリスクより、 ポジティブリスクの方が、対策の難易度が上がります。 パンデミックはチャンスでもある パンデミックに話を戻すと、ピンチはチャンスでもあると言います。 昨年のパンデミック期は、感染症対策が中心でした。 しかし今年は 余波期、ポストパンデミック期を見据えた対策がみられ、 明かに様相が変わっています。 パンデミック期は、テレワークや感染症対策など、どれも似たりですが、 余波期とポストパンデミック期は、種々多様です。 昨年がネガティブリスク対策とすれば、 今年はポジティブリスク対策と捉えることもできます。


もしも、まだ、ネガティブリスク対策のままだとしたら、

早急にポジティブリスク対策に取り組むべきです。 差別化を狙い、 イノベーションが起こせるか、 組織のレジリエンスを高めて臨みたいと思います。 既に、レジリエントな組織は、水面下で動いている。 未来は変えられると思うところから始まっています。



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