被災地で感じたレジリエンス

June 6, 2015

2011年の震災以降、何度か被災地に足を運んでいます。

「レジリエンスは回復力があること」と言われますが、元に戻ることだけがレジリエンスでは気の遠くなるような長い年月が必要だと、福島の原発事故被災地を訪れて思います。

心のレジリエンスを高める要素をこのように考えてみました。

・誰かの役に立っていること 「貢献感」「利他的」
・自分を誇りに思える 「自尊心」「自己効力感」
・被災者同志、被災地と非被災地ををつなげようとする 「関係構築力」
・自身のネガティブな感情にたいする 「ストレス対応力」
・できることを実行する 「柔軟な考え」「ポジティブさ」

被災地でレジリエンス力の高い方にお会いしています。


●南相馬市 Fさん

仮設住宅の自治会長のFさんは、原発事故による避難地域にご自宅があり、地震や津波の被害はなかったものの、自宅を離れ仮設住宅での生活を余儀なくされています。

同じ境遇でありながら、住民に寄り添って話に耳を傾け、健康を心配し、仮設住宅を取りまとめておられます。集会所でお土産品を作って販売され、ボランティアや視察者を受け入れておられます。口惜しさ、怒り、悲しみ、不安を抱えながらも、目の前の人の役に立つことを、知識や経験を使って実行されています。なかなかできることではありません。

「貢献感」「利他的」「自尊心」「関係構築力」「柔軟な考え」を感じます。



●南相馬市 Hさん

南相馬で被災地を案内されているボランティアのHさんは、分かり易い説明とこちらの希望に合わせて、ご自身で情報を集め、とても役に立つ貴重な資料をいただきました。

ボランティアという役割に誇りを持っておられる「自尊心」「自己効力感」
視察者と地域を橋渡しする「関係構築」「貢献感」を感じます。


●気仙沼市 Sさん

気仙沼の酒蔵の社長さん。津波で店も住居も流され、無事だった酒蔵で酒造りを継続されています。
被災後に夏の仕込みを始め、震災前よりよい酒を造り、生産量や売上は増えたそうですが、
「会社のことより、地域のことを考えました」と言い切られました。

地域への「貢献感」、良い酒を造るという「自尊心」を感じました。


●石巻市 Sさん

石巻市の大川小学校のご遺族のSさんは、最愛のお子さんを津波でなくされています。
我々の訪問を快く受け入れていただき、他の数名のご遺族と一緒に、仕事の合間に駆けつけて、当時の様子を話されました。
聞いていて、言葉がなく、胸が痛くなりました。

市や学校側の納得いかない対応や調査報告には強いストレス感情があったことは、容易に想像できます。
そのような中でも、自身が勤務する中学校の防災計画を見直され、未来の命を救うために行動されています。
「貢献感」「自尊心」を感じます。

Sさんは、小学校の跡地に建つ慰霊碑に手を合わせてから出勤されているそうです。


●陸前高田市 Sさん

津波で自宅が被災しご長男を亡くされたSさんは、被災した年も種をまき、木を切り、自力で自宅を再建されています。
(映画:「先祖になる」の主人公)
林業・農業を営んでおられるSさんは当時77歳、レジリエンスでなくてはできないことです。

実際にお会いすると、「当たり前ことをやっているだけ」「被災はしたけど全国からいろんな人が訪れてくれて今が一番幸せ」と言われました。
大変明るく、こちらも元気づけられました。

長年やってきた仕事に対する「自尊心」、今を感謝する「ポジティブさ」そして、自分から行動することで地域に元気を取り戻そうと思う「貢献感」を感じました。


他にも書ききれない程、被災地でレジリエンス力を感じる方にお会いしました。
みなさんがそうではないと思いますが、一人でも多くの方が安心して暮らせるようになってほしいと願います。

まだ4年しかたってないことを忘れないように、心に留めたいと思います。

 

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