グリットを身につける
レジリエンスは 心の回復力です。
落ち込んでも立ち直れる、七転び八起きは、まさにレジリエンス。
どうすれば 「回復力=レジリエンス」が身につけられるのか?
いくつかのポイントがあります。
楽観性やポジティブ思考 (ただし、やみくもにこれだけはいけません)
人とのつながりがあり孤独でないこと
柔軟なマインドセット(成長思考)があること
やり抜く力(グリット)があること
どれも必要ですが、今回は「やり抜く力」に注目してみます。
■やり抜く力とは?
失敗や挫折を経験しても、最後まで続けられるのが「やり抜く力」です。
コツコツと粘り強く、努力が継続できる。忍耐力もあります。
「1万時間の法則」とは、
楽器の演奏やスポーツなど、何事もスキルを上達させるには、
練習時間の長さが必要で、1万時間かければ上級者になれるということです。
仕事に置き換えてみると5年分に相当しますが、
ただ続ければよいというわけではなく、以下の3点が重要なポイントです。
どれだけ集中して取り組んだか
目的をもった質の高い取り組みができたか
改善があったか
別の視点で見てみると、
楽しくないことは、そもそも継続できません。
苦しくても継続するには目的が必要です。
グリット研究では、これを「情熱」と呼んでいます。
やり抜く力は、「情熱」と「粘り強さ」でできています。
情熱とは、高い目標、一つのことに取り組む姿勢、集中力の源
粘り強さは、意志の強さ、根気強さ、あきらめない気持ち
1つのことをやり続けた経験があると「やり抜く力」がつくそうです。
新人採用の面接でよく、「学生代で打ち込んだこと」を聞きますが、
部活でも、アルバイトでも、勉強や語学でも、
途中でやめずにやり通し、何かを達成した経験があれば、
仕事にも粘り強さが期待できるというわけです。成績より重要かもしれません。
才能があっても、やり抜く力がなければ、途中であきらめてしまう。
「知能レベルが最高でなくても、粘り強さを発揮して努力する人は、
知能レベルが最高に高くて粘り強く努力しない人より、大きな功績をおさめる。」
つまり、グリットは成功のカギだと、
グリット研究者のアンジェア・ダックワースは言っています。
■柔軟性と粘り強さの共存
一方で時代は、一つのことを地道に継続する粘り強さより、
新しいことに挑戦できる軽やかさや変化に対する適応力を求めていることも確かです。
ということは、レジリエンスに必要な柔軟性(しなやかさ)は、
意志の強さであるグリットと相反するようにも思えてきます。
大切なのは、新しい挑戦も一度やると決めたら
うまくいくように、柔軟にやり方を改善し、最後までやり遂げることではないかと思います。

参考:
「グリット やり抜く力」アンジェラ・ダックワース ダイアモンド社
TEDトーク
Grit: The power of passion and perseverance
https://www.ted.com/talks/angela_lee_duckworth_grit_the_power_of_passion_and_perseverance/transcript
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