人的ネットワークの点検
レジリエンスを高めるには、まわりの人と良いネットワークを構築することが不可欠です。
どんなに頑張っても一人でできることには限界があります。どんな高い志があっても周囲と協働できなければ達成は難しくなります。
良いネットワークとは何かを、信頼と多様性の観点でお話します。
●相互に信頼できる関係
自分が信頼できる相手とは、困った時に相談でき、愚痴や本音が言える関係があり、アドバイスや時に耳に痛い苦言も聞くことができます。
実にありがたい存在で、
悩みやストレスをため込まなくてすみますし、成長や学びをもたらしてくれる存在です。
同時に、自分も同じことが相手にできること。
つまり、相互に信頼し助け合うことで、あなた自身の自己効力感、相手の役にたっている自分を誇らしく思えることも大切なのです。
心から信頼し、「この人のために役に立ちたい」「何があっても守りたい」と思える存在は、自分自身のレジリエンスを高めることにつながります。
●多様なつながり
もう一つは、多様な人達との繋がりです。
広く浅く意見を求められる、多様な専門分野や考えが得られるネットワークです。
あなた自身にアイデアや気づき、刺激をあたえてくれる存在です。
情報があふれている現在、どれだけ大量の情報を収集するかではなく、どの情報を選択するかが大切になっています。また行き詰った時に現状を打開してくれるのは、自分とは違う専門分野の意見という場合もあります。
多様な人に興味を持ちつながっていくことで、柔軟で広い視野がうまれ、困難や逆境を乗り越える時に、あなた自身にパワーをもたらしてくれるかもしれません。
●3種類の人的ネットワーク
世界的なベストセラーになった「ワーク・シフト」(リンダ・グラットン著)には、これからは働き方を変えていかなくてはならない、そのために以下の3種類の人的ネットワークが必要だと書かれています。
1.ポッセ「頼りになる同志」
2.ビックアイデア・クラウド「大きなアイデアの源」
3.自己再生のコミュニティ「支えと安らぎの人間関係」
1は、深い相互理解で結びついた同じ専門分野のネットワーク。2は、自分とは違うタイプの人間とのネットワーク。3は、孤独を癒し、くつろげる相手との温かい関係です。
この3種類の人的ネットワークはレジリエンスを高める人間関係と相通じるものがあります。
ポッセと自己再生コミュニティは信頼関係が不可欠ですし、ビックアイデア・クラウドには多様性があります。
●人的ネットワークを点検する
自分自身を振り返ってみましょう。
どのネットワークが弱いか、意識して強めたほうがいいか。
ワークライフバランスの実現するためにも、人的ネットワークのバランスはとれているか。
助けてもらうばかりでなく、相手にも自分が役に立てているか。
足らないと気づいた点は、今日から何か始めてみることも忘れずに。
参考:「ワーク・シフト」リンダ・グラットン著 プレジデント社

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